ひろしま美術館

岡 鹿之助1898~1978

 東京に生まれる。父は劇作家・岡鬼太郎。麻布中学在学中、父の知人である岡田三郎助に師事する。1919年、東京美術学校に入学するが、アカデミックな教育に馴染めず、あまり登校しないまま、アトリエにこもり独習。1924年、同校を卒業し、渡仏。藤田嗣治のアトリエを借りて制作。藤田の勧めでサロン・ドートンヌに風景画2点を出品、《風景》が入選する。展覧会場で自作の絵の具の力が弱いことに気づき、以後油彩画のマティエールについて研究を重ねる。1926年、サロン・ドートンヌに《信号台》などを出品、その後毎年出品し、会員となる。スーラの点描や画面構成に学び、ボナール、ザッキン、マルケらと交友。1939年、第二次世界大戦勃発のため、イギリス、アメリカを経由して帰国。1940年、春陽会会員となり、第18回春陽展に《掘割り》など滞欧作を発表。終生、春陽会展に出品を続けた。 カンヴァス地の質感を生かすために厚塗りを避け、点描法や擦筆によって繊細な諧調を現わす独自の技法を編み出し、知的な構図と西洋の古城や華麗な花々など幻想的なモティーフの組み合わせにより完成度の高い静謐な空気に満ちた作品を制作し続けた。代表作に《積雪》《遊蝶花》《雪の発電所》などがある。長年にわたる油彩技法の研究成果を、『油絵のマテイィエール』(1953年)として出版。1972年、文化勲章を受章。東京で没。

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岡 鹿之助
《積雪》

1935年 油彩, カンヴァス 80.5×100.0cm

Shikanosuke OKA
Snows
oil, canvas

フランスのオーヴェルニュの風景というが、画家の想像力が生み出した夢の世界のように見える。もともと雪景色を描く意図はなかったが、自作のカンヴァスが面白くできたので「その白い少しザラザラした艶消しの面を出来るだけ生かしたいものだと思った。雪の構図はそれから考えついた」と記している。

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