ひろしま美術館

キース・ヴァン・ドンゲン1877~1968

 オランダ出身、フランスで活躍した画家。フォーヴィスムの運動に参加したのち、1920-30年代、当時の社会と風俗を写した官能的な肖像画を描いたことで知られ、エコール・ド・パリのひとり、国際肖像画家とも称される。
 ロッテルダム郊外の町デルフスハーフェンで生まれる。最初ロッテルダムの美術アカデミーに入学したが、22歳でパリに出て、モンマルトルにアトリエを設ける。のちに芸術家長屋「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」の住人となり、ピカソなどと交友を深めている。当初、パリに出てきてまもなく評論家フェリクス・フェネオンと知り合って、彼の擁護のもと、故郷オランダやモンマルトルの風景画、日常を扱ったデッサンなどを描いた。
 1904年アンデパンダン展へ初出品した頃から、徐々に新鮮な色彩と力強い筆触をみせはじめ、1905年のサロン・ドートンヌではマティスたちと同じ第7室に展示されてフォーヴのひとりとみなされる。その頃から、画題も風景や肖像だけでなく、モンマルトルのカフェの情景、舞踊団、道化師なども描くようになり、大胆なデフォルメによる官能的な画面を作り出すようになっていく。第一次世界大戦後は、社交界との関係を急速に深めていき、1920年代にはフランスをはじめとした各国著名人の肖像画を描いて人気を博した。筆触こそフォーヴの激しさは抑えられるが、青・緑・紫を主調とした色彩は輝きを保ち、それによって華やかで享楽的な雰囲気をもつ画面を実現して、当時の上流階級の趣味に受け入れられたのである。
 その後も、レジオン・ドヌール勲章受章、フランス国籍取得と順調に歩み続け、第二次大戦後は、パリをはじめロンドン、ニューヨークなど各地で個展・回顧展が開かれるが、自らはモナコに家族と移り、最初こそパリとこの地を往復しながら制作するも、しだいにここに定着して、静かな晩年を迎える。モナコで没。91歳。

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キース・ヴァン・ドンゲン
《ヴェネツィアの眺め》

1921年 油彩,カンヴァス  91.9×69.8cm

Kees Van DONGEN
Vue de Venise
oil, canvas

 

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キース・ヴァン・ドンゲン
《ふたり》

1922年頃 油彩,カンヴァス  65.0×99.5cm

Kees Van DONGEN
Le Couple
oil, canvas

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