ひろしま美術館

アンドレ・ドラン1880~1954

 パリ近郊のシャトゥーで生まれる。父は食料品店を営む。少年時代より学業に秀で、父は理工系に進ませようとした。父の意向に沿ってパリの理工学校への入学準備をするが、絵画への思いを断ちがたく、1898年、アカデミー・カミロのカリエール教室に通い、この画塾でマティスと知り合う。1900年、ヴラマンクと出会い、意気投合したふたりは、やがてシャトゥーに共同のアトリエを借りる。翌年、ベルネーム=ジュヌ画廊のゴッホ回顧展を共に訪ね、ドランは同じく会場に来ていたマティスをヴラマンクに紹介した。やがて3人の交友が始まり、フォーヴィスムの誕生へと向かうのである。1901年から1904年まで、兵役につき、この間ヴラマンクと多くの手紙を交わす。1905年、マティスとコリウールで制作、フォーヴィスムの名を与えられたサロン・ドートンヌに出品する。爆発する色彩と激しい筆致によるドランのフォーヴィスムは、1907年頃まで続き、やがてセザンヌやアフリカのプリミティヴ彫刻に影響をうけたセザンヌ的、あるいはキュビスム的な作風へと移行する。1914年から1918年まで、第一次世界大戦に従軍。除隊後は、次第に古典への関心が高まり、1921年のイタリア旅行はその傾向を決定的なものとした。プッサン、クロード・ロランらフランスの古典主義者たちがその指標となり、古典的な構図の風景画、明快な量感把握をみせる裸婦を描いた。1935年以降、シャトゥーに近いシャンブールシの邸宅に居を定め、田園の中でフランスの風景、人物、静物を描き続けた。タピスリーや衣装のデザイン、舞台装置なども手がける。シャンブールシで没。

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アンドレ・ドラン
《風景の中の裸婦》

1925-26年 油彩,カンヴァス 97.0×116.0cm

André DERAIN
Nu dans un paysage
oil, canvas

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アンドレ・ドラン
《パノラマ(プロヴァンス風景)》

1930年頃 油彩,カンヴァス 80.0×179.0cm

André DERAIN
Panorama, paysage de Provence
oil, canvas

蛇行する川や道を利用して奥行きを表現し、また2種の水色の帯を重ねて海へと向かう明るい広がりを作り出している。プッサンやクロード・ロランといった17世紀のフランス古典主義絵画の伝統とつながろうとするドランの牧歌的作品のひとつである。

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アンドレ・ドラン
《風景の中の金髪の婦人》

1936-37年 油彩, カンヴァス 150.0×99.5cm

André DERAIN
Femme blonde dans un paysage
oil, canvas

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